過去の勉強会活動内容 

 

■2018年9月4:青木博通 (ユアサハラ法律特許事務所パートナー弁理士

「自社製品のデザインを模倣から守る知財活用戦略」 ~ミックス・アンド・マッチ戦略~

  商品差異化、競争優位のモノづくりを実施する上で、物品のデザインはますます重要になってきています。その重要なデザインを保護するには、意匠権だけでなく、立体商標のような商標権、また著作権や不正競争防止法といった法的権利および法律をうまく組み合わせる戦略がいかに有効かが理解できました。

 そして今後、こうしたデザインによる競争力確保とその保護の動きはモノづくりに留まらず、サービス業などの幅広い業界にまで拡大していくのでしょう。これからはマーケティング戦略を踏まえた知的財産戦略も意識していかなくてはいけませんね。

 今回のセミナーは、単なる法律知識の理解だけでなく、大きな時代の潮流を感じとることができる貴重な機会でした。

 

■2018年7月17:野崎篤志 (株式会社イーパテント 代表取締役

「知的財産情報の効率的な収集と分析」 ~こんな簡単な作業でここまで分析できる~

 今回は日本のモノづくりを支えてきた中小製造企業での知的財産管理として依然重要な知的財産情報の収集と分析を、専任の調査分析担当者でなくても、比較的短時間かつ低コストである程度まで実施できることを、その場で実際に、J-PlatpatからExcelへ情報を取り出してグラフ化しながらご説明いただきました。

 また、情報収集や分析について無料で使えるサイトのご紹介もいただきました。

 ご参加いただいた皆様からは、「思っていたよりも簡単に、かなりのことまでできることを知れたのは大きな収穫。早速自社に持ち帰って実践したい。」との感想をいただきました。

 会場は予定数が満席となり、あっという間の90分でした。

 

 ■2018年5月16日:上条由紀子 (特許業務法人 太陽国際特許事務所 弁護士)

「知的財産及び標準化のビジネス活用」

 今回は、太陽国際特許事務所 弁理士の上條由紀子先生をお招きして、「知的財産及び標準化のビジネス活用」をテーマにご講義いただきました。

 「標準・標準化とは何か」「標準化のプロセス」といった基本事項から、知財及び標準化のビジネス活用におけるメリット、デメリットまで具体的事例を交えながら詳細にお話しくださいました。

 特に、中小企業でも国際標準の取得・活用が可能な場合があり、標準と知的財産権の両者を組み合わせたビジネスモデルを構築することで競争優位に立ち得る、とのご指摘は、中小企業の方々も勇気づけられたのではないでしょうか。

 また、実際に標準を取得する場合の裏話などもお話していただき、知的財産及び標準化のビジネス活用について理解することができました。

 

 ■2018年3月13玉田俊平太様 (関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科 教授

「破壊的イノベーションの起こし方」

 今回は発明推進協会共催セミナーとして、関西学院大学の玉田俊平太先生より「破壊的イノベーションの起こし方」をお話頂きました。

 イノベーションの定義から丁寧に解説頂き、優良大企業から見れば“取るに足りない”と思われる企業の製品・サービスによって自社のビジネス・市場が破壊されるかもしれない破壊的イノベーションの脅威についてお話頂きました。
 聴講者の皆さんは、この話を聴いて、「我々も逆転できるチャンスだ」と捉えたのか、「うかうかしていると我々の事業が食われてしまう脅威だ」と捉えたのか、どちらでしょうか。
 色々な示唆に富んだ事例の説明が随所にあり、大変参考になるとともに、終始明るい雰囲気の中、3時間という時間を感じさせない講演でした。 

 

■2018年3月6服部博信様 (中村合同特許法律事務所 パートナー弁理士)

「米国特許出願を突然指示されたら?」

 今回は,中村合同特許法律事務所のパートナー弁理士の服部博信先生をお招きして、「米国特許出願を突然指示されたら?」をテーマにご講義いただきました。

 米国の特許制度には、日本の特許制度には存在しない特有の制度、考え方があり、それらの特有の制度、考え方について、非常にわかりやすく、丁寧にお話いただきました。

 とくに、一つのミスが命取りになるような事例、ミスを防ぐ手法、ミスした場合の対処の仕方など,事例を交えて教えていただき、教科書からは決して知ることのできない実務上のテクニック、心構えなどについてもご教示いただきました。米国特許出願についての初心者の方のみならず、中級者、上級者の方にとっても、非常に勉強になる内容でした。

 

■2018年1月15丸島儀一様 (丸島特許事務所 所長弁理士、元 キヤノン株式会社 専務取締役)

「ビジネスを強くする知的財産の本質」

 今回は、元キヤノン株式会社の丸島儀一先生をお招きして、「ビジネスを強くする知的財産の本質」をテーマにご講演頂きました。今回のご講演では、丸島先生がこれまでどのような姿勢で仕事をして来られたかをお話頂き、知財では「相対的知財力」という考え方のもと規模が小さな企業の方が大企業よりも有利であるという「ひとり知財」への応援メッセージともいうべき言葉を頂きました。丸島先生のお話を聴いて、常に将来を見据えて考え行動することの重要性を痛感いたしました

 また、丸島先生からは「知的財産権とは独占排他権だからこそ面白いと考えるべき」「これからの知財人材は、事業全体を俯瞰して企業戦略を踏まえたうえでの事業戦略を考えることができる人材にならなくてはいけない」という全ての知財マンに対するメッセージを頂きました。そのためには、常に事業部門、技術部門と連携し情報を共有していかなくてはいけませんね。
現代のビジネス環境は複雑化してきています。一企業だけでビジネスに勝つのは難しい時代となりました。丸島先生からは、この複雑化の時代に応じた知的財産の有り方についてもお話を頂きました。改めて、我々はビジネスと知的財産の有り方について発想を変えていかなくてはならないと思いました。
今回のご講演では、知識だけでなく、この変化が激しくビジネスで勝つことが難しい時代において我々が前へ進んで行くための“勇気”を頂きました。

 

 

■2017年11月7日:白洲一新様(白洲知的財産権事務所・所長弁理士)               

「中国企業への技術の取扱い」

 今回は、白洲知的財産権事務所の所長弁理士 白洲一新様をお招きして、中国企業への技術の取扱いについてご講義いただきました。

 日本から中国へ国境をまたがる、技術を伴う製品の輸出や技術のライセンス等には、契約法ではなく「技術輸出入管理令」が適用されてしまうリスクがあることをご教示いただきました。そして、そのリスクに対処する方法のひとつとして、第三国(例えば台湾など)にある企業をうまく使うスキームを紹介していただきました。

 また、中国へ技術供与をする際には、そもそも日本と中国では根本的な考え方に違いがあることを念頭におく必要があると、非常にわかりやすい事例を交えてお話いただきました。

 終盤には、中国での立証が難しい先使用権の代わりに、実用新案制度を活用した「先行技術の抗弁」を利用する手法も教えていただき、大変勉強になりました。

 

 

■2017年9月5日:三原秀子様(三原特許事務所所長弁理士、元 帝人(株)知的財産部長) 

「知財活動の留意点-外国企業等との知財経験から-」

 今回は、三原特許事務所三原秀子所長弁理士(元 帝人(株)知的財産部長)にお越し頂き、「知財活動の留意点~外国企業等との知財経験から~」というテーマで、海外の企業や事務所等との知財活動の各場面での留意点を、三原様の失敗談含めた経験に基づいたお話頂きました。

 海外との共同研究・共同出願そして契約に始まり、権利化そして活用面のライセンス交渉、特許庁・裁判所との対応まで、ご自身の現場で身をもって感じられたことを詳細にお話頂きました。

 例えば、共同開発では当初から知財弁護士が加わる事。契約では将来の活用まで考えたシビアな交渉をされる事、また自社の要望を明確に記載する事。欧米の審査や異議申立てでは、面接や口頭審理出席等が有効である事、技術流出防止策ではそのメリットを理解して納得してもらうための努力が必要な事。そして警告や訴訟では欧米とアジアでは相手方の対応が相当違う事、ライセンス交渉時には身内間の会話内容に注意する事、面接・裁判等は日本で慣れ、海外も経験して置く事の重要さ等、非常に参考になる点が沢山ありました。

 

 

■2017年7月26日:酒井美里様(スマートワークス株式会社代表) 

「ウォーターフォール/工程管理/わかりやすさ etc 特許調査周辺の話」

 7月26日(水)には、スマートワークス株式会社の代表である酒井美里先生をお招きして、特許調査に関する講演をしていただきました。

 特許調査業務における「時間短縮」「ボトルネックの解消」「工程管理」という、通常とは違った切り口からの講演で、大変新鮮で、特許調査業務以外の職務にも十分活用できる内容でした。

 特に、システム開発の項目で述べられた「ウォーターフォール法」や「アジャイル法」は、その内容を把握し、業務に適切に活用できれば、業務の効率化につながる有効な手法であると思います。

 また、「わかりやすい検索」の項目で述べられた「見やすさを向上させるためには、人の視線移動に沿った形でレイアウトする。」という点は、日頃の業務におけるレポート作成にも通じるもので、大変参考になりました。

 講演から得たことを明日からの自身の業務に生かそうと考えた参加者も多かったのではないかと思います。

 

 

■2017年5月9日: 中島一浩様(キヤノン株式会社インクジェットコンポーネント開発センター主席)

「ひらめきから発明へ、発明から製品化へ」~キヤノンインクジェット開発者が語る”イノベーションに必要な力”~ 

 今回は、キヤノン株式会社においてインクジェットのキー技術を発明された中島一浩様にお越し頂き、「ひらめきから発明へ、発明から製品化へ」をテーマにお話頂きました。

 信じた事を実現するために、諦めず壁を乗り越えていかれた中島様のポジティブな姿勢に感銘を受けるとともに、技術者も経営者もネアカでなければいけないなと感じました。

 

 また、中島様のお話を聴いて、ふと、勝海舟が述べた「人には余裕というものが無くては、とても大事はできないよ。」という言葉を思い出しました。いま多くの企業が、この余裕というもの(ここでいう余裕とは経済的な余裕というよりも“心の余裕”に近いものではないかと思います)を失ってきているのかもしれません。中島様のお話を、“日本の古き良き時代の話”にはしたくないですね。まずはネアカで行きましょう。

 

■2017年3月7日: 小畑芳春様(特許業務法人 志賀国際特許事務所 技術部 統括部長)

 「 中国知的財産権の活用について」

 今回のセミナーは、日本で最大の特許事務所である志賀国際特許事務所で、国内外の知財業務に携わってこられた技術部 小畑 芳春 統括部長にご自身の経験談も含めてお話ししていただきました。

 まず、各国の知財動向において、中国の実用新案は発明特許より多く出願され、年間出願数は共に100万件を大きく超えて更に増加している事、中国でのトラブルの経験から製造委託先の改良実用新案や意匠出願の存在が怖い事、訴訟においては立証が難しい事、共同出願・共願に関しては、相手はライバルと考え共願をなるべく避け、契約が必要な時は契約が無効にならない様に中国の知財法、契約法等を考慮して作成する事、さらに、技術移転を始めとする契約においては、準拠法が日本の法律であっても、中国法の規制を受ける事、その上権利行使は難しい事等、中国ビジネスに関わる人には是非共聞いて頂きたい内容でした。

 

■2017年1月24日:新井信昭様(新井・橋本・保坂国際特許事務所 弁理士)

 「新刊本『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカコーラ」どっちが賢い?特許・知財の最新常識』

 (新潮社)発刊に際して」 

 「特許を出願すれば、公開によってアイデア盗用のリスクがある」、我々は今まで知識としては知っていても、ここ強く意識をして特許を出願してきたでしょうか。

 むしろ「特許を出せばひと安心」という意識の方が強かったかもしれません。

 それでは一方で、特許を出さなかったら、どのようなリスクがあるのでしょうか。

 今回は、弁理士の新井信昭先生による新刊本『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカコーラ」どっちか賢い?特許・知財の最新常識』(新潮社)発刊に際してご講演頂きました。

 このお話を聴いて、本当の意味でのオープン戦略、クローズ戦略を考えさせられるとともに、これからは、その特許を本当に出すべきかどうかを真剣に考える機会となり

ました。

 ところで、この本のタイトルを読んで、「伊右衛門」と「コカコーラ」のどっちが賢いかの答えを 期待しましたか?

この本には、「答は教えてもらうことではなく、自ら考えて導き出すものだという意識を持つべき」ということが描かれています。